入れ歯のポイント

診断と説明

レントゲン写真、現在の入れ歯、口腔内の状態から患者さんの現状を正確に把握します。その結果、どこに問題があるのかを分析します。患者さんにはわかりやすくご説明します。入れ歯の治療は患者さんのご希望も大切です。患者さんが何を求めているかに合わせて診療計画を考えていきます。
        
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型取り

入れ歯を作るときに型取りは重要です。入れ歯を作るときの型は歯の型を取るだけでなく、粘膜の型を取る必要があります。粘膜の型は歯と違って、軟組織です。押したり、ひっぱたりすると変形します。入れ歯を入れたときにちょうどいいように粘膜の型を取ることは難しいです。患者さんごとに専用のトレーを作ることで、入れ歯を入れたときにちょうどいいように粘膜の型を取っています。
        
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見た目

前歯の印象が変わると、人の印象もかなり変わります。入れ歯には人工の歯を使います。入れ歯を作るときに、一度ろうの入れ歯に人工の歯を並べます。この段階では人工の歯の位置を変えることができます。ご自身の希望するように歯の位置や形を選ぶことができます。患者さんのご意見を聞きながら、調整していきます。
前歯の並びは咬み合わせの高さや唇の力の強さと関係していることがあります。咬み合わせが低いと前歯を並べるときに規制されることがあります。その場合は、咬み合わせを少し上げるように奥歯を高さを調整します。そう入れ歯なら噛み合わせの高さを変えることは自由度は大きいです。また、唇の強さが強いときは歯の位置を前に出すと入れ歯が不安定になります。患者さんによっては前歯を見せたいというご希望は多いですが、唇との関係が問題になることがあります。
        
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機能性

入れ歯には噛むこと、話すことが求められます。
よく噛める入れ歯は咬み合わせの位置と高さが良い状態にあります。咬み合わせの位置と高さを最適にするには咬合採得といって咬み合わせを決める行程が重要になります。ロウを柔らかくして、噛ませて、何度も試行しながら、咬み合わせを決めます。
また、話せる入れ歯は上の入れ歯の形に関係していることが多いです。それは、話すときに舌を上の顎にあてて発音することが多いからです。サ行は舌を上の前歯の後ろにあてて発音します。上の前歯の裏側が厚い入れ歯だと、舌足らずな発音をすることがあります。タ行は奥歯と舌の横腹をあてて発音します。奥歯の左右の距離が短いと発音しづらいことがあります。発音するためには、どのような形がいいのかを時間をかけて作っていきます。
        
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調整

どんなに丁寧に入れ歯を作っても、完成した入れ歯にはズレが生じます。このズレを修正するために重要なのが、入れ歯の調整です。調整をするポイントは歯肉(粘膜)に接する、入れ歯の裏側と噛み合わせです。
入れ歯の裏側と粘膜に接する部分は型を取ったときとちがい、実際に口の中では入れ歯は微妙に動きます。調整をするときには、痛みが出るかどうかを確認しながら、少しずづ強くあたっている部分の入れ歯の裏側を削ります。間違った場所を削らないように適合試験剤を用いて、ピンポイントで調整していきます。
次に咬み合わせの調整です。ロウの入れ歯でも、咬み合わせの位置は合わせていますが、完成した入れ歯は微妙にズレていることがあります。また、患者さんの噛む位置も微妙に変わってきます。少しでも咬み合わせの位置が違うとかたつく感じがします。かたつく感じをなくすために、人工歯を少しずつ削って合わせていきます。削りすぎると咬み合わせの高さが変わってくるので、色紙など使ってピンポイントでほんの少しずつ数回に分けて削っていきます。
調整は1回だけでなく、入れ歯を入れたあと何度かに分けて行うのが望ましいです。新しい入れ歯を入れると、噛む位置や強さが今までと違ってくるので、違和感を生じることがあるので入れ歯を入れたあとも肝心です。
        
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